新新凱旋門

ルーブル宮はパリのほぼ中央部にあり、
そこから北西方向に、シャンゼリゼとかシャルルドゴールとか、
名前はいろいろ変わりますが、
完全に一直線にのびている道があります。
道の始点、ルーブル宮の中庭に「カルーゼルの凱旋門」、
中央付近にはあの有名な「凱旋門」、
終点には近代オフィスビルでもある「新凱旋門」、と
三つの凱旋門が道をちょうど三等分するように建っています。
それらはパリの中心から外に行くにしたがって
幾何学的に大きくなっていきます。

左・中央に見える小さい四角が新凱旋門。右は有名な凱旋門のほう。
  

近頃この道のさらに延長線上、
Ile de Chatouという、セーヌの中洲に、
さらに大きな新新凱旋門建設のうわさが流れています。
この地は現在ゴルフコースになっていますが、
蛇行するセーヌが北から南に下りてくるところで、
パリ郊外の住宅地から来ると、
「いよいよパリも近いな」と思わせるところです。
東京で言うなら、荒川とか多摩川を渡るところにあたります。

この計画のミソは、
その地がちょうど今ある三つの凱旋門の延長線上にあり、
しかも距離が等間隔に保てるということです。
ただ、今までと同様にパリの中心から徐々に大きくなっていくように作ると、
新凱旋門の1.5倍の大きさが必要になるそう。
実現すれば、偉容を誇る新しいパリの顔となるでしょうが、
可能性は高くはなさそうです。

私なら、カルーゼルのさらにルーブル宮寄り、ガラスのピラミッドの手前に
こじゃれた小さな門を作るというほうが簡単でいいように思うのですが、
フランス人のプライドが許さないのでしょう。