結婚式

時々けたたましくクラクションを鳴らしながら
車が走ってくる。
そういうときはたいてい結婚式だ。
車はリムジンではなく、ごく普通の一般車。
屋根の部分に白いリボンを飾っているので、それとわかる。
そんな車が数台続いて走る。
新郎新婦とその友達だ。
そんな車に出くわしたら、周りもクラクションを鳴らして祝福する。

さて、フランスでの結婚式、
さぞや優雅なのだろうと思っていたが、
実際はちょっと違うようだ。
うちが住んでるマルメゾンでは
月に一回市報のような冊子が配られるのだが、
その巻末に最近生まれた市内の赤ちゃんとともに
「最近結婚したカップル」というページがあり、
写真も何枚か載っていたりする。
そこに写っているカップルの皆様、
もちろんウエディングドレスの人もいるのだけど、
スーツやワンピース姿の人も多い。
市役所の隣に歴史博物館(↓)があるのだが、



そこで式を挙げるカップルも多いらしく、
平日(といっても木、金が多い)の午後、
そこで式を終えて出てきたカップルに出くわすことがある。
でも気をつけて見ないと
「どれが新郎新婦か?」と
分からないことが多い。
先日もブーケを持っているスーツ姿の女性がいたが、
「彼女は新婦か、それともブーケをもらった友人か」を
見極めるのにずいぶん時間がかかった。

「最近結婚したカップル」を見ていてもう一つ思うのは、
かなり年のいったカップルも多いということ。
中高年の域だ。
フランスは結婚という形をとらずに
一緒に暮らしているカップルも多いと聞くし、
市役所で子供のことで何かを申し込むときも
「あなたたち(私とダンナ)は結婚しているのか?」と聞かれる。
日本だったら「子供がいるんだよ~。
結婚してるに決まってるだろが」と思うが、
そういう質問が成り立つこと自体、
フランスの実情を表しているように思えてならない。
そしてそんな高齢のカップルの写真を見るにつけ、
「彼らは今になってやっと結婚という形をとるつもりになったのか、
それとも新しい伴侶を見つけたのか…?」
と勝手な想像をめぐらせてしまうのだ。