食生活の進歩

フランスに来て何が困ったと言えば、
何を食べたらいいか分からなかったことだ。
「グルメの国に来て何を言ってるのか」と思われるだろうが、
確かにスーパーに行けば野菜も果物もいろいろあるし、
チーズやワインも山のように売っている。
しかし日本の家庭料理しか作れない身には、
おいしそうな食材を目の前にしても
それを活用した料理が思いつかないのだ。
スーパーのチラシに載っているレシピも活用したが、
一週間でネタが切れた。
かといって三ツ星レストランで出てくるような
手の込んだフランス料理をえっちらおっちら作る気もない。
「普通のフランスの家庭で食べている普通の料理が食べたい!」

そんなときにめぐりあったのが「パリっ子の食卓」(佐藤真著、河出書房新社)。
フランスの日本人向け情報誌OVNI(オヴニ)に連載されている料理コーナーを
まとめた本らしい。
これを片手にあれこれ作る日々が続く。
味付けなんかははっきり言って私とは合わないものも多いのだが、
何しろどういう料理があるのかもよく分からないので、
いろいろな食材利用のとっかかりを知る、という上で欠かせない本なのだ。

この本のおかげで食卓に上がるようになったもの…
若鶏の丸焼き
ポークソテー
子牛のクリームシチュー
ピプラード(赤ピーマン炒め)
ポピエット(豚挽き肉を牛肉で包み、トマトソースで煮たもの)
※私は出来合いのポピエットを買ってきて煮ただけ!
アシ・パルマンティエ(牛挽き肉にマッシュポテトを乗せオーブンで焼いたもの)
キッシュ
グラタン・ドーフィノワ(いわゆるジャガイモグラタン)
各種フルーツタルト

他にも一回だけ作ったものはいろいろある。
ワイン煮の類はなぜか人気がない。
私は好きなのだが…お酒の匂いがきつすぎる?
また、この本でベシャメルソースの作り方をマスター、
「今日は他に材料がないからマカロニグラタンでも作ろうか」と
言うことができるようになったのだ!!

他によく作るものは
ラタトゥイユ(夏野菜のトマト煮。
これもフランスの家庭料理だけど、たまたま以前から作っていた)
豚かたまり肉の紅茶煮
ジャガイモと豚肉の重ね焼き

夕食は一応前菜、メイン、(あれば)デザートになるように
メニューを考える。
もちろんそんなことできない日もあるけれど、
うまくできると食卓が華やかになるし、
何よりあれこれ考えるのも楽しい。