フランス語習得作戦

我が家の教育方針は

現地の学校で近所のお友達を作り、
現地の子供たちと同じように生活すること

その目的が達成できるように試行錯誤が始まった。
しかしこれが子供たちの幸せにつながるかどうかは
まだわからない。
子供たちが本当に楽しく過ごせる方法は何か、
それも同時に試行錯誤が始まった。

その1:家庭教師

子供にフランス語を教えてくれる人を探してみたが、
思ったようには見つからない。
大人に教えている人に「子供にも教えて欲しい」と頼むと、
「子供に教えるのは大人とやり方が違うから私にはできない」
などと断られてしまう。
市役所で聞いてみたら、市報のアノンスに出ていた
日本語を教えるという人に聞いてみろと言われた。
電話してみたらやはり日本語は教えるけど
フランス語は教えられないと断られる。
ただその人は日本人だったので、
知り合いで教えてくれる人はいないかと食い下がってみた。
そうしたら、数日して見つかったと連絡をくださったのだが、
肝心の顔合わせの日になって当のフランス人が
急に弱気になって辞退したのだ。
「やっぱり子供には教えられない」と…。
家庭教師と固く考えなくても、
絵本を読んでくれるだけでもいい。
子供が言いたいけど何と言えばいいかわからない言葉を
教えてくれるだけでもいい。
先生探しは現在進行中だ。

その2:友達を家に呼ぶ

先生探しはしているものの、
やはり子供は子供から教わったほうがいいのではないか。
そう考えて家に友達を呼んでみることにした。
とは言っても、子供同士で決めるわけにはいかないので、
どうしても親を通してお願いすることになる。
幼稚園が引けてからでは遅くなるのでどうしても休みの日を選ぶが、
週末はよほど親しくないとお呼びするのに気が引けるし、
水曜日は働いているママが多いので、
休みでも託児所やベビーシッターさんと過ごしている子供も多い。
どうやってお呼びすればいいのか?
呼ぶならゆりちゃんの仲のいい子がいいと思い、
ジョルジーナに来てもらうことにした。
ジョルジーナのママをひっつかまえてお願いしてみたら、
たまたま働いていなくて家にいるということだったので、
連れてきてもらえることになった。
当日、ジョルジーナ家は来客があったらしく、
「行けなくなってしまった」と電話をもらったのだが、
ちょっとだけでもいいからと無理にお願いして来てもらった。
ジョルジーナは弟のニクソン(ゆりちゃんと同い年)といっしょに来て、
途中ジョルジーナとニクソンがけんかになったりして
みんな一緒に遊ぶ時間は少なかったけど、
あとで聞いたらジョルジーナはすごく楽しかったのだそうだ。
もちろんゆりちゃんも楽しかったらしい。
でもお友達を家に呼ぶのはなかなか大変…。

その3:家族で勉強

ダンナが通っているフランス語学校で使っている教材が
わりとよいと言うので、
FNACまで買いに行く。
ビデオ教材もあるらしいのだが、クラスレッスン用なのかバカ高い。
あきらめてテープを買う。
一週間に一課ずつ進めようということになるが、
やっぱり大人向けの教材。子供と一緒はちょっと無理か…。
それでもダンナと私は時々テキストをいっしょに読んだりしたが、
後日ダンナがクラスからビデオを借りてきたので、一緒に見た。
3課あたりでもうついていけなくなった。
親はそれぞれのフランス語のクラスでの勉強を
精一杯こなしていくしかないようだ。

その4:同時翻訳

子供たちと話をしている中で、
わかる言葉は日本語とフランス語と両方で教えてあげるようにした。
とは言っても、私のわかるのはいくつかの単語と簡単な決まり文句くらい。
逆に聞かれても分からないときもある。
子供のほうがフランス語で何か言った後、
「○○の話だよ」と教えてくれて
「今言っていたのは○○のことだったのか!」と
わかるときもある。

その5:centre de loisirs

夏休みにゆりちゃんが通ったcentre de loisirsだが、
平日も幼稚園が始まる前、終わったあと、そして水曜日は
centre de loisirsが開いている。
今までは水曜日は休息の日と称して、
家にいることが多かった。
慣れないフランス語環境で疲れると思ったからだ。
しかし、少しでもフランス語環境に長くいるために、
水曜日のcentre de loisirsに行かせることにする。

市役所に申し込みに行ったら、
以前とやり方が少し変わっていた。
チケット制なのは変わらないが、
平日については当日直接centre de loisirs
(うちはいつもと同じ幼稚園。
幼稚園によってはcentre de loisirsだけ別の園に行くこともある。
事実、夕方はいつもどこかの園からバスで
うちの園のcentre de loisirsにやってくる子供たちがいる)
に行けばよい。予約は不要。
夏休みや冬休みなどの長期休暇中のcentre de loisirsは、
以前は別の事務所があって、そこで予約をしていた。
しかし今度は幼稚園で予約ができるようになった。

初日はバイバイもそこそこに部屋に入っていってしまった。
馨と一緒に行ったけど、日中も一緒なのかな?
一緒だったらフランス語をしゃべる機会はあまりないかな?と考えたが、
やはり年齢別クラスに分かれて行動したので、
ゆりちゃんと馨は別クラスだったらしい。
帰りに先生に「フランス語をしゃべったか」と聞いてみたら、
「あまりしゃべらなかった。
でも少しずつしゃべるようになるから大丈夫」と言ってくれた。
こういう対応を普段の園でもしてくれたらなあ…。

ゆりちゃんも馨もcentre de loisirsは楽しかったらしい。
私も日中はらんちゃん一人だけだったので、
用事もいつもよりたくさん片付けることができたし、
ほっと息をつく時間もあった。
でも本当は水曜のこの時間、
お子様たちとわらわらじゃれるのが楽しかったのだ。
もちろん全員揃ってるとけんかも当然起こるわけだけど、
普段は幼稚園にいる時間が長くて
あんまりじっくり遊ぶことができないから…。
フランス語を覚えるためとはいえ、
ちょっと寂しい気がした。

その6:インターナショナルスクール

幼稚園の言語指導の先生が、
水曜だけインターナショナルスクールの日本セクションに
通ってみたらどうかと提案していた。
うちの近所(と言っても車じゃないと行けないが)にあるのだが、
11セクションに分かれていて、
アメリカセクション、イタリアセクションなどとならんで
日本セクションがあるのだ。
インターナショナルスクールは英語で教育をするところというイメージがあったので、
最初から学校の候補に考えていなかった。
しかし調べてみると、このインターナショナルスクールは
通常の授業はフランスのカリキュラムに従って
フランス語で授業をしており、
クラス編成も民族に関係なく混ざり合っている。
そして、各国固有の国語や歴史を学ぶときは
セクション別のクラス編成で学ぶ。
問い合わせてみたら、
幼稚園の間は現地幼稚園に通って、
セクション別のクラスだけインターに通う形になっており、
うちが通いたかった水曜日は
まさに日本セクションの時間で、日本のことを学ぶ時間だった。
フランス語を日本人のいる環境で学べるかもという期待は外れたが、
学校としては日本語もフランス語も学べそうなので、
今後の選択肢の一つとして残しておくことにした。