centres de loisirs

「せんとる ど ろわじーる」と読みます。
幼稚園は月、火、木、金なので、
水曜日は休み、
また夏休みなどの休暇中も当然休みですが、
ずーっと家にいてもすることなくエネルギーを発散できない、
かといって毎日どこかへ連れて歩くのも限界がある、
フランスでは親が共働きでも幼稚園に通うケースが多いので、
休みの間の預け先に困る、
そんなときの救世主がcentres de loisirs。

<申し込み>

手探りで申し込み

実ははじめはシステムがよく分かっておらず、
友人マリーナ(レストランのシェフをしている)のところのスカーレットも
「休みのときはギャルドリ(託児所)に行ってる」と言うので、
どうなってるのかな?と思っていた。
しかし幼稚園の再申し込みでマリーナが連れて行ってくれたところで
centres de loisirsのパンフレットをもらい、
これはどうやら「夏季保育」ではないかと推測。
2ヶ月もの間、家でくすぶっていられるのは困るので、
辞書を引き引き必死にパンフレットを読む。
パンフレットを読むかぎりでは、
通えるのは現在幼稚園や学校に在籍している子供。
9月から初めて幼稚園に行く子供(馨がそうだ)は通えないとのこと。
ゆりちゃんは「行きたくなーい!」と言っていたが、
黙って準備を進める…。

必要書類は
カルネドサンテ(母子手帳で代用)
収入のわかるもの(ダンナ会社で証明書をもらう)
リブレドファミーユ(戸籍謄本を翻訳してもらう)
証明写真3枚(幼稚園から年度末に返してもらった写真を流用)
勤務先の名前と住所、電話番号
自宅電話番号
本当は他にも必要書類が書いてあったのだが、
私の語学力では理解不可能。
まあいいか、とダメ元で上記書類持参で申し込み。

どこで申し込むのかもよく分からなかったので、
最初にパンフレットをもらった事務所に行ってみた。
すると「市役所で」と言われる。
やっぱり市役所か…。
ほとんど英語が通じないのだ。
(この事務所だって通じないが)
気が重くなりながら市役所に向かう。
入り口を入ってすぐに受付があり、
そこに座っているおばさまたちが
来訪者を振り分けている(追い返している、とも言う)。

「centres de loisirsの申し込みをしたい」と言ったら
うまく受け付け番号をもらえる。
順番が来る。
パンフレットを見せながら申し込みたいと伝える。
幸い窓口のおばちゃんが片言の英語ができたので、
お互い怪しい英語とフランス語を織り交ぜながら
意思疎通を図る。
どうやらうまくいったようだ。
苦労して揃えた書類たちの出番はなし。
今幼稚園に通っているということで
必要な情報はそこから全部得られるらしい。
給食が食べられるか聞こうと思って持っていった
給食票が意外にも役立った。
これは重要なものだったのね…。
チケット制なので、
(英語で)「下の階で」チケットを買ってねと言われる。

エレベーター事件

エレベーターに乗って地下1階に行く。
降りたら関係者のみの階らしい。
間違ったかな?と地下2階まで行ってみる。
するといつまでたっても着かない。
中で馨が跳ねたからか?
困っていろんなボタンを押してみる。
呼び出しボタンも押してみる。
そのうちガタンと動き出し、再び地上階へ。
そこで降りて別のエレベーターに乗り換えればよかったのだが、
「何だ、動くじゃん」とそのままもう一度地下2階へ。
やはり途中で動かなくなる。
困ったなあ、どうしようかなあとボタンを押しまくっていたら、
外から扉を手で開けようとしている人が!!
よかった、どこかの階に着いたんだ!とほっとする。
開けてくれたおじさんは「大丈夫?子供は?」とびびっていた。
地下2階も関係者オンリーの階。
「チケットを買いたいんだけど」とボケたことを聞く私を
チケット売り場まで連れて行ってくれた。
その間おじさんたちは携帯でどこかに電話。
どうやらこのエレベーター、点検中だったらしい。
だったら表にそう書いておけよ。
笑い話にもならないじゃん。

無事チケット売り場に着き、チケットを買う。
何かを出せと言われ、ひと悶着あってから
例の給食票のことだとわかる。
何枚買うのかと聞かれ、
夏休みの半分の20日分買うことにする。
(週5日が8週間と計算した)
そうしたら「ミル…なんとかフラン」と言っている。
ミル?1000フラン?聞き間違えだろうか?
聞き間違えではなかった。20日で1060フランなり。
一日53フランと書いてあった。
収入によって金額は異なる。
一日あたりに直せば53フラン(約1000円)は安いが、
いきなり1000フラン払う買い物はめったにしないので、
ちょっと手がふるえた。
もちろんカルトブルー(カード)で払った。

今何階にいるのか分からなかったが、
エレベーターに乗って分かった。
1階(日本でいう2階)にいたのだ。
窓口のおばちゃんは
「upstair」と言うべきところを「downstair」と言ってしまったらしい。
でも「間違っちゃった」じゃすまないぞ、これは。

このチケットを持って、今度は最初に行った事務所に行く。
どうやら市役所は申し込みのみ、
細かい日程などの相談は事務所のほうらしい。

通う日を決める

事務所は市役所から徒歩5分。
ここのおばちゃんはとても親切。
私がフランス語がよく分からないと知ると、
事務所にいる人中に声をかけ、
英語が話せる人を連れてきてくれた。
そこで判明した事実は
いつも通っている幼稚園では夏のcentres de loisirsをやっていない
ということだった。
AかBどちらかの幼稚園に行くことになるけれど、と
それぞれの場所を教えてくれた。
そうとわかっていたら申し込まなかったのだが、
大金を払ったのでどこでも行ってもらうしかない。
ひとつがいつもの幼稚園から程近かったので、
そちらを選択する。
「ここは7月と8月で通う場所が違うけど」
ええ、ええ、もうなんでもいいです。
通う日を選ぶ。
8月最終週から9月の新学期までは
いつもの幼稚園に行けるらしい。
ここでなんとなく分かったのだが、
centres de loisirsは普段もやっているらしい。
幼稚園が休みの水曜日、
また幼稚園が引けた16時30分以降19時までは
いつもの幼稚園でも預かっているようなのだ。
だから、9月に入ってからはいつもの幼稚園に行けるということらしい。
結局この2ヶ月ほどの間に三つの幼稚園を渡り歩くことになる。

通う日を予約して、確認書をもらう。
何度もコピーを繰り返したような用紙に
手書きで予約した日を書き込む。
「これを登園初日に渡してね」と言われる。

ところがその日の夜、うちの予定が変わり、
予約した日を変えなければならなくなった。

次の日再び事務所へ。
「予約した日を変えたいんですけど」と言うと、
すんなり変えられる。
おまけにプリンターでパソコンにインプットした情報をプリントアウトし、
「これを登園初日に渡してね」と言われる。
こっちのほうが正解だろうな、多分。

後日マリーナに道で会って、
「centres de loisirsの申し込み、一人でやったの?
大丈夫だった?」と心配されてしまった。

<ようす>

いつもと場所は違うし、
仲のいい子はもちろんのこと、
顔見知りですらいるかどうかわからない。
仲良しのお友達と先生のおかげで
どうにか通っていた感のある幼稚園だったから、
centres de loisirsに果たして通えるかどうか、
とても不安だった。

ところが。
「いつもの幼稚園よりすっごくたのし~い」と言って帰ってくる。
一体何が違うのか?

ゆりちゃんが言うには、
◎お庭(=園庭)が広いから
◎お昼寝がベッドでできるから
(いつもは机に突っ伏して寝ているらしい…「ゆりちゃんと馨が語る幼稚園」を参照のこと)
だそうだが、
園庭の広さはほとんど違わないし、
昼寝もあまりしていないようだ。

私の目から見ると
◎こっちのほうが建物が新しい
◎園庭に砂場がある(いつもの幼稚園にはない)
◎先生がみんな若い
(いつもの幼稚園はベテラン先生も多い…若いとパワフルな遊びもできるか?)
そして決定的に違うのは、

◎みんなで同じことをしない、お勉強的要素がない

これが一番かもしれない。
けっこう幼稚園のシステムに乗っかって、
フランス語で数字を数えたり、塗り絵をやったりしているけれど、
時間がきたらハイ、次はこれ、というのは
本当はあまり好きではないはずだ。
centres de loisirsでは、
みんなで一緒に遊ぶこともあるようだが、
たいていはグループに分かれて、
塗り絵チーム、ダンスチーム、積み木チーム、などなど、
思い思いの遊びをしている。

centres de loisirsの先生は
お迎えに行くと「今日はよかったよ!」と
いつも言ってくれる。
日によっては
「今日はオリンピックごっこをしたよ。
Yuriは運動神経がすごくいいね!」
「先生の言ってるフランス語は理解してるよ」
「お友達とフランス語でコミュニケーションを取ってるよ」
などなどと教えてくれる。

いつもの幼稚園では、
よっぽど変わったこと(と言えば、たいていあまりよくないことなのだが)があれば、
様子を教えてくれるけど、
こんなところがよかった、なんて話は
あまりしてくれない。
お迎えの時間が決まっていて、
いっせいに子供を親に引き渡すので、
一人一人と話している時間がないのは確か。

お迎えがばらばらなせいか、
先生と話をする時間が持てるcentres de loisirs、
ゆりちゃんが日本で通っていた保育園に通じるところがある。
本当は馨もここで遊びたいくらいなのだ。
果たして9月、いつもの幼稚園に戻れるか?
ハハは心配なのだ。

<すごいぞ!夏季保育の申し込み!>

5月30日から夏休み中のcentre de loisirsの申し込みが始まった。
夏休みは長いので、通常のcentre de loisirsとは別に、
農場で過ごすプランや、小学生にもなると、
イギリスへ行くプランまであるのだ。
農場で過ごすプランはうちからごく近いところだったし、
泊まりでなくて通いだったので、
こういうのも面白いかなと思ったが、
パンフレットをもらったときにはすでに申し込み期限を切れていた。
他にも、短期間のいろいろなstage(スタージュ、入門講座みたいなもの)があって、
その中にテニスが!
いつもテニスをやりたいと言っているゆりちゃんだったので、
こういうスタージュに行ってみて、
気に入ったら秋から本格的に習ってみればいいと思い、
申し込むことにした。
他にも、自転車、サーカス、音楽、マリオネット、などなど。
岩登りなんていうのもあった。
このスタージュは幼稚園生限定なのに…。

申し込みは朝8時30分から受け付けているという。
幼稚園へ送ったあとになるので、
いっぺん家に帰るのも手間だと思い、
送った足でそのまま市役所に向かってみた。
すると、いつもは閑散としている窓口に長蛇の列!
このスタージュは人数限定なので、
私も不安で初日に行ってみたのだが正解だった。
同じことを考えている人がたくさん!
すごく殺気立っている。
幸い、テニスのクラスはいつも通っているcentre de loisirsの隣。
しかも、立地を考えてか、うちの行ってるcentre de loisirsの子供には
優先枠があった。
開催場所に直接連れて行かなければならないので、
あまり遠いと送り迎えが大変なのだ。

無事申し込みを終える。
5日間のスタージュ。一体何をするのかな?
centre de loisirsのチケットを売っている窓口も人だかり。
通常のcentre de loisirsも早く申し込まないと
定員オーバーになってしまうんだろうか。
去年申し込んだとき、7月間近だったこともあるが、
日によって定員オーバーで受け付けないということがあった。
通常の方は市役所でなくても
普段のcentre de loisirsのクラスで受付しているが、
水曜まで待たずに一度聞いてみようかと思った。