ぎらぎらギリシャ

2002年8月1日〜15日


ゆりちゃん撮影のパルテノン神殿


行き先が決まるまで

去年のチュニジアに味をしめ、
今年も同様のリゾートを探した。
条件としては、
・2週間滞在
・子供用プールと海がある
・三食つき
・ミニクラブ(子供向けアクティビティー)がある
・5人部屋、もしくはコネクティッドルームがあるところ

今回一番苦労したのは最後の条件の部屋だった。
らんちゃんが7月27日で2歳になるので、
その前に出発できれば実質4人料金になるし、
部屋を決める際の人数も4人でカウントされる。
しかし2歳過ぎてからだと大きく変わってくるのだ。
4人部屋はけっこうたくさんあったのだが、
5人部屋はぐっと少なくなる。
もちろん料金も子供料金ながらしっかり取られるし、
仮にコネクティッドルームが取れたとしても、
親二人と同室の子供は割引が効くところが多いのに、
うちの場合は親一人に子供一人か二人、という部屋割りにしかならないので、
その割引も効かない。
おかげで当初狙っていたイタリアやスペインもすべて見送り。
予算オーバーなのだ。
5人部屋が比較的多いギリシャをいつもの旅行代理店でも勧められた。
らんちゃんの誕生日前出発を最後の最後まで粘ったが、
ダンナの仕事の都合がつくか分からないということで断念。
ギリシャに絞ったが、そのギリシャもあまり空きがない。
旅行代理店が見つけてくれた比較的条件に合うところで手を打った。
それが今回泊まったCLUB OLYMPIEN Grand Bleu。
場所はile d'eubee。
それ、どこ?
だいたい島の名前は日本語だとなんと言うの?

地図で見るとアテネのある突き出した岬の隣がile d'eubee、
日本語ではエヴィア島。
結局行くまで名前がわからなかった。
大きな島なのに、情報まるでなし。
ガイドにも載っていない。
不安がちょっとつのる。

超早朝フライト

出発一週間前になってバウチャーをもらう。
旅行代理店のおじさん(フランス語しかしゃべれない)が
「出発日の集合は4時です。ちょっと早いけど」と言う。
4時?午後4時か?違う、朝の4時だ!!!
何で朝の4時に空港に行かなければいけないのだ?
一瞬何を言われているのか理解できなかった。
要はフライトが6時だったので、2時間前の4時に集合だったのだ。
「早すぎる…」としか言えなかった。
夜中とはいえ、家を3時には出ないとならない。
子供たちは当日着る服を着せて寝かせる。
私は荷作りなどいろいろ忙しかったが、12時にベッドに入った。
たとえ2時間でも寝たほうがいいだろうと思ったからだ。
ダンナは逆に寝ないでそのまま起きていた。
夜中の2時半に起きて出発準備。
といっても荷物と子供を車に乗せるだけ。
たった2時間半でも寝た私はけっこうすっきり。
寝なかったダンナはゲロゲロだった。
寝たまま空港に行くと思った子供たちも目が覚め、
比較的機嫌もよかった。

とここまではよかったのだが、
空港のカウンターの手際が悪く、手続きがのろのろ。
さらに荷物の積み込みに時間がかかったのか、
出発が40分ほど遅れる。
その上、アテネからホテルまでバスで2時間、
これまた乗客がそろわなくて出発が遅れ、
結局ホテルについたのは午後2時半。
約半日かかったことになる。

帰りも早朝フライトに呪われた。
帰る前日、帰国便のコンファメーションが貼り出されたが、
フライトが11時10分、
ホテル発がなんと朝7時。起床は6時だ。
同じ便に乗る家族が10組くらいあったが、
みんなその貼り出しを見て、「6時…」絶句している。
そして空港でもカウンターでの手続きが遅れに遅れる。
うちは普通に手続きを済ませて、免税での買い物もせず、
ただまっすぐ搭乗口に向かっているだけなのに、
時すでに10時30分。
最終搭乗案内されてしまう始末。
かえるの絵のついたかわいい飛行機だったけど、
何か根本的な管理ミスがないか?EURALAIR。
(ところでどこの国の航空会社だ?)
ついでに言わせてもらうと、
一席とって座っているらんちゃんを見て
行きに二回、帰りも一回
「彼女は何歳?2歳過ぎてますか?」と聞かれた。
2歳過ぎてるから一席もらっているんだっていうのに。
おまけに帰りはあやうく機内食をもらえないところだった。
どうやら2歳以下だと思われたらしい。
パスポート見てチケット発券しているんだろうに。
やっぱり管理に問題があるぞ、EURALAIR。

でも機内サービスはそんなに悪くなかった。
帰りの飛行機は天気がよかったこともあり、眺めが抜群。
またサービス精神旺盛な機長だったのか、
「ローマ、フィレンツェ、ミラノを抜けてパリにまいります」
くらいの機内放送はよくあることだが、
「ただいま左に見えますのはモンブラン」
「ただいま眼下に見えますのは○○湖(名前がわからなかった)」
とバスガイドのような案内つき。
さらにパリ近くになるとディズニーランドパリ、凱旋門、エッフェル塔、ブーローニュの森、
ベルサイユ宮殿、パルクドプランス(パリサンジェルマンのホームスタジアム)、などなど
まるでパリ上空観覧ツアーでもしているような感じ。
機内のフランス人たちも窓にはりつきっぱなし。
ビデオを撮ってるヤツまでいた。

フランス人リゾート

今回のホテルはフランス人リゾートだった。
まあ分かって行ったのだけど、本当にフランス人100%。
現地従業員もまずフランス語をしゃべる。
アジア人家族は他に一組いたけど、とにかく目立つ。
フランス人はイタリア人と違ってあまり話しかけてこない。
フランス語がしゃべれないと思われているのか、
フランス人租界にいて特に気にもならないのか。
逆に珍しがっていろいろ話しかけてきたのは
現地従業員のギリシャ人たち。
ベッドメイクをしてくれたおばさんたちは
フランス語もほとんど通じないのだけど、話しかけてきた。
夜のショーなどももちろんフランス語。
パントマイムのクイズは言葉と関係なく楽しめたが、
コントは辛かった。

↓「ギリシャの夜」がテーマの日の
グレックダンス。
衣装も踊りもチロリアン風。
山岳地帯は似るのかな?


部屋は4~6人部屋だったので広々。
メゾネット形式(二階建て)だった。
お風呂もバスタブつきとシャワーのみの2つがついていて、
子連れには便利。
シャワーのみの方は洗濯物干し場と化す。

滞在中はほとんどプールで過ごした。
一度海にも出たのだが、狭かったし、
らんちゃんが砂のざらざら感が苦手なようで大泣き。
海の色も内海だからかあまりきれいではない。
もっともその後きれいな青い海のときもあったが。

おいしかった食べ物

そういうわけで、食事もフランス人仕様。
昼夜はワインつき。
食事も毎回数品目ギリシャ料理が並ぶが、基本的に肉食。
ギリシャでは魚介類がふんだんに食べられると思っていた私は
ちょっとがっかりだった。
それでもギリシャのおいしいもの発見。
・魚のフライ
いわしのような小魚のフライが時々出てきた。
フライというより素揚げに近いかも。
レモンをかけて食べるとおいしかった。
・じゃがいも
これはちょっと意外だった一品。
ジャガイモがすごくおいしい。
もちろん毎食形を変えて並んでいたが、
単純に茹でてオリーブオイルで炒めただけ、みたいな
素朴な料理が一番おいしかった。
中がねっとりしていて、ちょっとオランダのジャガイモに似ている。
・パン
何種類もあって、
バゲットのような長細いものもあるのだが、
大きな渦巻きになっているパンが一番好きだった。
直径30センチくらいもあるので、切り分けて食べる。
全粒粉ではないと思うが、多少色がかかっている。
中は少しぽそぽそした感じ。
ちなみにダンナは黒ゴマのかかったパンが好きだったらしい。
・ヨーグルト
ギリシャはヨーグルトが特産と聞いていたのだが、
朝食に出てくるヨーグルトが濃くて味わいがあった。
はちみつをかけて食べるとおいしい。
・すいか
フランスのスイカは甘味があまりなくて水だけという感じだけど、
ギリシャのスイカは日本のスイカに近い。
甘いのだ。
デザートの中でも一、二を争う人気だった。
はっきり言って高いメロンよりおいしい。



面白かったのはジュースの種類が多いこと。
たいてい桃ジュース、レモンジュースは常備。
レモン好きの馨は大喜びだった。

ミニミニ教会

ギリシャの道端にやたらと目につくミニミニ教会。
しかも田舎に行くほどたくさんある。
これは一体何か?と思ったら、
中にイコンが飾ってある。
イコンの前にはお供え物やろうそくがある。
日本でいたるところにお地蔵様があるのと同じかな?
素焼きの焼き物屋さんにはこのミニミニ教会も
たくさん並んでいた。

  

ギリシャ文字を解読

今回の旅行で一番困ったのは文字。
ギリシャ文字は全く読めない。
しかもたいてい英語が併記してあるのだが、
ギリシャ文字の中にも英語のアルファベットと同じ文字が
含まれているので、かえって読みにくい。
これはギリシャ語か英語か?と迷わせられる。
ところがそんなギリシャ文字も何日も見ているうちに
規則性を発見。
ロシア語の知識と数学の知識が役立ったのだ。
(わたくし、大学での第二外国語がロシア語でございました)
だいたいがロシア語の知識でいけ、
ロシア語にない文字の場合、
「∑はシグマか…Sだな!
ΔはデルタだからDだな!」
このときほど数学を真面目にやっておいてよかったと思った
瞬間はなかった。
(正確に言えば、もっと他にも見たことのある文字があったんだけど、
それはすでに数学がちゃらんぽらんになっていた大学数学で出てきた文字だったので、
読み方が思い出せなかった…はっはっは)
しかし読めても意味が類推できない単語が多い。

レンタカーでドライブ

せっかくギリシャに来てギリシャらしいところにどこも行かずに
いるのもつまらないと思った。
ホテルからも各種日帰りバスツアーが出ていたが、
ものによっては早朝出発して夜帰ってくるようなハードスケジュール、
おまけにけっこうお高い。
小さな子連れにバスツアーは無理だろう。
幸いレンタカーがあったので、借りてみることにした。
ところが簡単に借りられるかと思ったら
案外予約が埋まっているという。
特にうちは5人乗れる車じゃないとダメ、
そしてチャイルドシートもつけなきゃダメ、なんていうと、
本当に選択肢が限られた。
借りたかった大型車はすでに予約いっぱい。
すぐ借りられてしかもみんな座れる、という条件ぎりぎりで、
某車を借りる。
これは日本だったら小型車の部類じゃないか。
5人乗ってもいいのか?
一日45ユーロ、なんとお弁当つきらしい。

その1:エーゲ海を見に
その2:アテネ

馨中耳炎

エーゲ海ゲロゲロ山道ドライブで三回吐いた馨は
アテネで耳が痛いと泣き出した。
どうにかごまかして帰ってくるが、痛みはなくならない。
中耳炎か?
翌日、フロントで相談してみると、
たまたま往診の医者がいたので話をする。
馨の様子をちょっと見て「小児科に行ったほうがよい」と言われ、
小児科を紹介してもらうことに。
「英語の話せる小児科ですよ」
タクシーで1キロほどの街中にあった。
入り口のインターホンの応答はもちろんギリシャ語、
英語が通じるというので一応英語で来訪の旨告げると、
黙ったまま門が開く。
不安だ。
しばらく待合室で待ったあと、順番が来る。
英語が話せるというのは確かだったが、
(あとからダンナが言うには)すごくなまっている。
それでも日頃小児科通いに慣れている私は
そんなに不便を感じなかったが。
ところが途中でフランス語も混ざりだす。
どうやらフランス語のほうが得意なよう。
私も英語で慣れない医療用語を言われるより、
フランス語のほうがまだわかる。
結局予想通り中耳炎との診断をもらう。
料金は40ユーロなり。フランスとほぼ変わらないか。
その後近くの薬局で薬を買う。
薬屋はフランス語は通じなかった。
英語はちょっといけた。

もらった薬は抗生物質と耳に入れる点耳薬。
最初の3日間くらいは痛がっていたが、
その後軽快し、プールにも再び入れるようになった。