船三様

ベネチアには車が入れないのだそうだ。
手前で駐車場に入れなければならない。
車で行く我が家にとってはすごく面倒だ。
ところが「リド島には車で渡れますよ~」と代理店のおばちゃん。
うちが泊まったのはリド島のホテル。
そんな車事情を知っていたわけではなく、
ただ単にうちの希望日に空いていたホテルが
そこしかなかっただけなのだが。
カーフェリーに乗って渡るという。

リド島にて。
車が止まってるのが分かりますか?


ベネチアにだんだん近づいてきた。
代理店のおばちゃんがくれた「フェリーの乗り方」によると、
Tronchettoの表示に従っていけば乗り場にたどり着けるらしい。
(Tronchettoって一体何だ?)
もう目の前がベネチア。
そんな表示はない。
大丈夫か?と思っていたら、出てきた!
時折表示がなくなるが、かわりにferryの文字も出てきて、
それを頼りに「こんなところ走っていいのか?」というような、
狭い道を海沿いに行くと、船があった。
乗船料は12ユーロ。
車の大きさと人数で値段が変わるそうだが、
それにしても安い。
すぐ乗っていいと言われる。

乗せられる車の数は30台くらい。
リド島までは30分ほどで着く。
乗っている間、車から降りることもできるし、
車に乗ったままでもよい。
またエンジンもかけたままで平気そうだ。



ところで着いたら、どうやって降りるのかな?
ダンナ曰く「きっとみんな我先にと出口に殺到するんだよ」
そのとおりだった。
一つの出口に対して、車の列は4列。
係員は誰も交通整理なんかしやしない。
みんな勝手に降りる。のどかだ。

ベネチアではバスはあるけど水上バス。
路線も何種類かあって、ただ水上ってだけで
普通のバスと何ら変わらない。
リド島までは車で来れるし、
リド島内も車で走れるが、
本島にはこの水上バスじゃないと行けない。
駅で切符を買う。
大人および上二人のお子様(6歳、4歳)。
いろんな種類があるみたいだけどよくわからない。
とりあえず一日往復券みたいなのを買う。
この往復券より片道切符のほうがなぜか高い。
それに往復券だって5,13ユーロもする。
ベネチア市民の足だというのに高すぎないか?
それとも市民は定期券を買うのかな、やっぱり。

切符を買ったはいいものの、ノーチェック。
見やしない。
「こりゃあみんな多分ただ乗りしてるんだな」とダンナ。
オランダでもフランスでもよくあることだ。
だからたまに検札が来る。
次の日また水上バスに乗るのに、
「昨日の切符、使えるんじゃない?」とダンナ。
「そうかなあ。でも昨日の日付入ってるよ」
「それは買った日でしょ。その刻印機に通せばいいんだよ」
半信半疑ながら通してみる。
薄ーく刻印されたが、これでいいのか?
そのつけは帰りに来た。
二回しか乗ってないのに検札に遭遇!!
これだけの運が宝くじのときあれば…。
もううちが悪いのは重々承知だが、
一応言い訳してみる。しかもフランス語で。
「ごめんなさい、知らなかったの」(←ウソ)
甲板にいたダンナは一駅半くらいねばったのだそうだ。
(二人して往生際悪い)
でも不正乗車はたとえ無知のためとはいえ、
罰金からは逃れられない。
水上バスも同様だった。
あ~あ、水上バスで罰金払う旅行客なんて、
なかなかいないんだろうなあ。
一人26.10ユーロなり。子どもは免除された。


ものすごい乗船率。
我が家は「難民船」と命名した。

さて、ベネチアで船といえば、これ。
ゴンドラ。



見ていると、乗ってるのがほとんど日本人。
まあベネチアはゴンドラに限らず日本人だらけなのだが。
私はあんまり乗る気がなかったが、
お子様たちが「乗りた~い」と言うので、
漕ぎ手と交渉。
これも人数と時間やルートで交渉次第らしいが、
うちは100ユーロということで決着ついた。
(大体60分くらいのコースだった)
この日はたまたま雨が降らなかったからか、
ゴンドラは多く出ていた。
どこからか歌声。
確かゴンドラ漕ぎは歌も歌うと聞いているが、
それはゴンドラに同乗している歌専門の人だった。
これはもちろん別料金なんだろう。
うちはもらい歌(?)してラッキーだった。
それにしても、決して広くない運河を
ゴンドラが交差する。



スピードも思ったより速い。
でもすいすいとうまく避けていくのはさすが。
途中マルコポーロの家、シティーセンターなどを教えてもらい、
お決まり(らしい)のリアルト橋の下をくぐり、


サンマルコ広場に着いた。

サンマルコ広場前の乗り場。
いかにもベネチアな風景。