寄り道

★モンブラントンネル

イタリア旅行もこれで三度目、
いつも南仏回りで行っていて
ちょっと違った行き方がしてみたかった。
他の行き方、というと山越えしかない。
フランスからイタリアに行くには二つトンネルがあって、
そのうちの一つがかの有名なモンブラントンネル。
でもトンネルの外は雪だらけ、ということはないのだろうか。
普通の装備のままトンネルを越えられるのか?
モンブラントンネルのサイトにも問い合わせして、
念のためタイヤのチェーンも購入して万全を期す。

白いのがモンブラン。
これからモンブラントンネルに向かいます。



幸い出発日頃は天気もよく、寒さも少し和らいでいた。
そのせいか、モンブラントンネルまでの道のりも
そしてモンブラントンネルの入り口も雪なし。
(もちろん周囲の山は冠雪していました)
トンネル入り口にて通行料を払う。
28ユーロほど。
払ってもすぐにはトンネルに入れない。
バーが上がるまで待たなくてはならない。
一定間隔をあけて車を中に入れているようだ。
トンネルに入ってからも規則がいろいろあり、
50~70キロで走らなければならない。
それ以上でもそれ以下でもダメ。
だからなんだかディズニーランドのアトラクションでも
乗っているようでヘンな気分だった。
モンブラントンネルはいつも混んでいるらしい。
こうやって入場制限しているのならさもありなん。
でも以前の事故でよっぽど痛い目を見ているからなのだろう。

トンネル自体はわりとあっさり終わる。
トンネルを抜けるとイタリア。
モンブランを裏から見ることができる。

★マッターホルンのスキー場

モンブラントンネルを抜けるとすぐアオスタ、
思いのほかモンブラントンネルで時間を節約できたため、
大幅に時間が余る。
地図を見ていたら、トリノに行く道の途中に
外れた道があった。
つきあたりは「ちぇるびにあ」、とある。
景色がよさそうだからという理由だけでそこに寄り道してみる。
目指す方向にどんどん上っていくと
あるところから突然雪の世界になる。
標高がどんどん上がっているらしい。
このまま行ったらもしかしたらチェーンをしないとダメかも、
というところで終点。
そこはなんとスキー場だった!!
昔からあったスキー場、というよりも
あとから開発してスキー場に仕立てた感じ。
広いゲレンデの周りはお店やホテルでいっぱいだ。
何よりも素晴らしいのは、
ゲレンデの後ろにそびえるマッターホルン!!

とんがってるやつがマッターホルン。


すぐ近くにあったお子様用スペースで遊ぶハメになる。
スキー用の防寒も何もしていない普通の格好。
もちろん寒い。
でもお子様は大満足。

後で地図を見ていたわかったことだが、
マッターホルンのイタリア名はcervino、
このスキー場はcervinia、
マッターホルンのお膝元だからこういう名前がついたのか…。

★LECCEレッチェ

今回の旅行で最大にして最高の寄り道。
本当は行く予定ではなかったのだ。
ただ、アッピア街道の終点のブリンディシに行くついでに
その近くのレッチェも寄ってみようか、
ナショジオ」にも取り上げられているし、
トリノでもらったイタリアの地図
(これが秀逸。イタリア全土の道路地図はもちろん、
地名や名所旧跡がお勧め度合いに応じて
三種類の文字の大きさで記してある)にも
イチオシの大きな文字で書いてあったからだ。
イタリア人も勧めるレッチェ、どんな町なんだろう?

寄り道の最後に行ったので、着いたのはすでにたそがれ時。
目指すサンタクローチェ教会を探す。
町の中心部?と思われるにぎやかなところに出ると、
特設スケート場が大賑わい、
ほぼ暗くなった町にはクリスマスのイルミネーションが光る。
そしてその横にはもう一つのアッピア街道の終点の柱、
(ブリンディシから持ってきたらしい。
だから、ブリンディシには一本しかなかったのだ)
隣にはなんと劇場の遺跡だ!
もちろんローマ時代のもの。

   

町の雰囲気もナポリの雑多な感じとはうって変わり、
いわゆるヨーロッパの町、のイメージに近い。
同じ南イタリアの町か?と思うくらい。
レッチェ、奥が深いぞ、と驚きながら歩いていて
ついに発見。



たそがれ時でも真っ白い教会はよく映える。
青空の下で見たらさぞかしきれいだろう。
レッチェに長居するつもりではなかったので、
名残惜しみながらレッチェを出る。
するとレッチェの町の周りは城壁のように取り囲まれており、
門もいくつかあるのだが、
門のところにはこれまた繊細な彫刻が
これでもかというくらいに施されている。
レッチェがイタリア人のイチオシ観光地だって意味がよく分かったよ!!
あああ、もっと早く知っていればここに一泊したのに!!
確かに街中にはイタリアナンバーの観光バスが何台も止まっていた。
フランスからも日本からもすっごく遠いし、
レッチェのためだけに来るのはちょっともったいないのだけど、
いつか必ず再訪したい町だった。