ユーロ狂想曲

旅行の間に通貨がユーロに切り替わった。
予想通り、導入直後は混乱していた。

おつりが計算できない

1月1日はフランスも祝日なので、みんな閉まっている。
することがないのでドライブしようとモナコに行ってみる。
モナコに入る高速道路の料金所は一ヶ所だけ長蛇の列。
ここだけ現金で払えるのだ。
がら空きのほうはユーロかカルトブルー(フランス国内専用のクレジットカード)しか使えない。
切り替え初日の朝、みんなユーロなんか持ってるわけがない。
またイタリア国境が近いこともあり、
イタリアから来ている車が多い(=カルトブルーを持ってない)。
いきおいみんなこの一つの窓口に集中する。
うちもつい回りの雰囲気にのまれて列に並んだのが間違いだった。
全然進まない。
最初は機械が壊れて動かないのかと思ったが、窓口には人がいる。
後ろはどんどん列がのびる。
あんまり動かないので後ろの方から人が見に来るまでに。
ようやく少しずつ前に進み始めた。
ここで判明したのは、現在フランで払われた場合ユーロでおつりを返す(※)のだが、
その計算にとまどったために異常に時間がかかったらしいということ。
かわいそうなのでうちはカルトブルーで払ってあげた。
以後、料金所では努めてカルトブルー専用窓口に並ぶようにした。

※2月17日の完全ユーロ切り替え日(これ以降はフランが使えない)までの暫定処置。

レジには入りたくない

ダンナの目撃談。
とあるサービスエリアでは、レジを若い子一人に任せっきりにし、
年のいった店員たちはみな商品整理に精を出していたそうだ。
いくら計算は機械がやってくれるにしても、
初めて扱うユーロ、しかもコインはなじむまで時間がかかる。
当然のことながらレジは大混みだったそうだ。

計算機はポケットの中

これは旅行から帰ってきてからの出来事だが、
サマリテーヌというパリのデパートで買い物したときのこと。
ノートやペンなど文房具を数点買った。
もちろん値段はユーロで書いてある。
レジに持っていくと、バーコードを読んではいるものの、
値段はユーロでは入力されないらしく、いちいち手打ちで金額入力。
途中計算できなくなったところでレジのおじさん、
ポケットからうやうやしく紙箱を取り出し、中から計算機登場。
フランとユーロの換算機だ。
1月4日のことだ。ユーロが導入されてからわずか4日。
その計算機、今は出番が多いんじゃないだろうか。
レジにでーんと出しておいてもぜんぜん不都合ないと思うのだけど、
なぜ紙箱に入れてポケットにしまう?
スーパーマーケットのような大量のレジ打ちを要求される売り場じゃないけど、
あまりに悠長に感じられたワンシーン。