ローマの松

イタリアといえばレスピーギ(※)、レスピーギといえば「ローマの松」。
オーケストラの末席を汚す身として、この連想はあまりに自然だった。
「ローマの松」で舞台になっている松はどんなものなのか?

 

ボルゲーゼ荘の松




有名なスペイン広場と同じくらい有名なポポロ広場の裏にボルゲーゼ公園という広大な公園がある。
園内には美術館や博物館も点在している。
ここには残念ながら時間がなくて行けなかったので、松だけ探しに行く。
松の木はたくさん植わっていたが、華やかな感じはあまりしない。
松という木に華やかさを求める方が間違いか…。

                  カタコンベ付近の松


アッピア街道を歩いていくうちにカタコンベに出くわす。

このあたりには何ヶ所もカタコンベがあるらしい。

カタコンベとは、初期キリスト教との共同墓地。

お墓である。

中の見学もできるらしい。

天気のせいかもしれないが、うっそうとして日当たりが悪く、ちょっと湿り気のある感じ、いかにもカタコンベの周りという雰囲気十分。

ジャニコロの松

 

 


一番難しかったお題。

「ジャニコロとはどこにあるのか?」

さんざん地図で探したあげく、特定のポイントをさしているのではなく、エリアの名前と判明。

曲のイメージとはかけ離れた、新興住宅地を抜けると、ローマ市街が一望できる丘に到着。

ここがジャニコロの丘だ。


冬の昼間のせいもあるだろうが、夜鳴きうぐいすかなんかがピヨピヨ鳴いている感じではない。

もっと現代的なあかぬけた場所だった。

                     アッピア街道の松




アッピア街道には新旧あって、旧アッピア街道は細い道でようやくみつけた入り口では入場制限。
どうやら車では入れないようだっだが、こちらがフランス語でまくしたてると「いいよいいよ」って感じで入れてくれる。ラッキー!
がたがたの石畳も十分当時の雰囲気を感じさせるものだったが、途中で車両進入禁止になる。
そこから先が本当に当時のままの石畳が残る。

 

大きい石の方が当時の舗装

 

大き目の石の並べられた道に「ここをかつてのローマ軍が歩いたのねえ」と感慨を深めていると、堂々とそこを通る現地ナンバーの車…。
現地の人にとっては遺跡は日常茶飯事で今さら感慨なんかないってところなのか。

イタリアの松は日本のと違って、枝が上の方に密集していてブロッコリーみたいな形に生えている。
生える環境にかかわらず同じ形なので、日本の松を想像していくとちょっととまどう。
もっとも日本風の松が生えているのも違和感あるけど。




※レスピーギとは

20世紀初頭のイタリアの作曲家。
代表作は「ローマ3部作」と言われる
「ローマの松」「ローマの祭り」「ローマの噴水」。
しかしそれ以外にも涙ちょちょぎれる名曲がたくさん!
きらびやかなオーケストレーションと
ちょっと哀愁漂うモチーフが特徴。
レスピーギを語らせたら止まらない。
そう、私は大ファンなのだ。