セキュリテソシアル

フランスに来てから、うちはセキュリテソシアルという、
フランスの医療保険に入った。
これに入っておくと何かと便利。
医者や薬局で払ったお金が返ってくるのだ。

うちは会社が保険に入る申請をしてくれた。
だから入るための具体的な手続きはよく分からない。
しかし、申請してから保険の仮番号が来るまでに1~2ヶ月、
正式な番号が来るまでにさらに3ヶ月くらいかかると聞かされた。
まあ保険に入っていても、こちらでは医療費は全額先払いで、
あとから保険負担分が帰ってくるので、
日本のように保険証がなかったらもう一大事!というほどのことはない。

そして確かに番号が来るまでそれくらい時間がかかった。
医者にかかる上で必要とされることはなかったけど、
それ以外の場面で意外と必要なことが多かった。
幼稚園に出す書類一つでも新学期には
セキュリテソシアルの番号を書くことがある。
しょうがないから全部「en cours申請中」で済ます。
なんか言われるかな?と思ったけど、
きっとこんなの当たり前なのだろう、これで大丈夫だった。
家族手当をもらうための手続きの用紙ですら、
セキュリテソシアルは「申請中」で済んでしまった。

さて、セキュリテソシアルは医療費を全額負担してくれない。
大体7割程度、つまり本人負担が3割くらいある。
だから日本の保険とそう大して変わらない。
ところが、この本人負担分までカバーしてくれる保険がある。
それがミュチュエルという保険。
これも会社が申請してくれたらしい。
こちらの方が手続きが早く済んだのか、
セキュリテソシアルの保険証コピーを送れという手紙が2回来る。
送れと言われても、ないものは送れない。
と思っていたらようやく保険証が手元に届いた。
VITALEというカードもいっしょに届いた。
なんとこの保険証、滞在許可証の更新に必要だった。
(言われるまで知らなかった)
届いてわずか一週間後が更新日だった。

さて、正式な番号も届いたし、
そろそろセキュリテソシアルに医療費返還の請求をしてみようかな、と思い立つ。
今までためにためた払い戻し請求用紙の一部を持って、
セキュリテソシアルの事務所に出かけた。
フランスでは、医者にかかったり、
処方箋を持って薬局で薬を買ったりすると、

払い戻し請求用紙をくれる。
それが大事なのだ。
薬の場合は医者のくれた処方箋のコピーも必要になる。
(処方箋は二重になっているので、
コピーの方をつければよい)

用紙は郵送でももちろんいいのだが、
うちの場合は買い物経路にあったので、
直接持参してみた。
書き方がこれでいいのかも知りたかったし、
一体いつの分からお金が戻ってくるのかも知りたかった。

書き方自体は特に難しいものではなく、
ほとんど医者や薬局が記入してくれるので、
自分でするのはかかった家族の生年月日と
被保険者(うちはダンナ)のサインを入れることくらい。
問題はこの先にあった。
なんとうちは2001年7月以降分しか払い戻しされないという。
そこで思い出した。
確かセキュリテソシアルはフランスでの給与支払日からしか、
カバーされないのだということを。
我が家の場合、滞在許可証は5月頭に発効しているが、
フランスでの給与支払い開始が7月分からだったのだ。
持っていった用紙は運の悪いことに全部7月前のものだった。
そのことに関して窓口の人は何も言わず、
振込先銀行口座を登録してくれた。

その次は7月以降の分を持っていった。
もちろん何の問題もなし。
さらに、いちいち窓口に出さなくても、
適当な封筒に入れて、窓口前にある箱に書類を入れるのでもよいとわかる。
ますます楽チンになった。

さて、VITALEというカード、
今まで出せと言われたことがなかったのだが、
もらってから急に使うことが多くなった。
被保険者と家族の情報が入っているため、
それを見るだけで生年月日など一般情報がすぐ見られるようだ。
また、小児科ではこのカードを使うことで
払い戻し請求用紙がペーパーレスになった。
(もちろん診療費は全額払ったので、
紙がなくってもちゃんと払い戻しされるんだろうかとちょっと心配だが)

約一ヵ月後、三回に分けて提出した分が
相次いで振り込まれた。
振り込まれる方が先で、明細が来ない。
あれ?と思っていたら一通来た。
一通で三回分まとめてきたのかなと思ったが、
そんなわけはなく一回分のみ。
しかも最後に出した分から届いた。
全くフランス人ってやつは…。
明細を見ると、やはり多少の違いはあるものの、
35~70%しか払い戻しされていない。
残りの分はどうするか?
次はこの明細をミュチュエルに送る番だ。

(25/06/2002)

用紙提出後の払い戻しの流れについては、
現在en coursです。
分かり次第追加していく予定です。