アトピー治療

フランスにもアトピーはあります。
が、日本よりずっと少ないような気がします。
というのは、街中でアトピーらしき子を見かけないのです。
私が知ってる限りでは、毎朝会う小学生に一人、
明らかにアトピーと思われる子がいますが、その子だけ。
フランス人のママとの会話でも
「あら、ほっぺたどうしたの?」
ちょっと知ってるママだと次に
「湿疹?」
と聞いてきますが、普通は相手の返事待ち。
こちらが「湿疹なの」と答えると
「まあ、そうなの~」
で「暑いもんねえ」とか「よだれがつくもんねえ」とか続きます。
日本だったら同じ会話をした場合
まず「アトピー?」って聞かれることが多いような。
こちらで「アトピー?」と聞かれることは皆無です。
一般人にアトピーという言葉が日本ほど浸透していないのかも。

うちは私が小さいときにアトピーだったし、ダンナも花粉症なので、
アレルギー持ちの子供が生まれても全然おかしくない状況でした。
で、ゆりちゃん、らんちゃん、光と三人皮膚科のお世話になってます。

最初はまず小児科へ。
小児科でも保湿クリーム程度の簡単なものは処方してくれます。
でもそれで一週間くらいして改善しなければ、
皮膚科に行くように勧められます。
うちのかかってる小児科の先生は研究熱心なので、
うちが皮膚科でもらった処方箋をコピーさせてほしいと
言っていましたが、普通は専門医任せかな。
(小児科だって専門医だが)

湿疹に関しては、フランスでも2歳までにたいていは治ると
言われているのだそうです。
このへん、日本と同じですよね?
だから、小さい子供が湿疹でも
ママたちはあまり悲観していないようです。

皮膚科は先生によって治療方法は千差万別だと思うので、
我が家のかかってるF医師の場合。
そのときの症状によって内容は若干異なりますが、
◎入浴時のケアが大事
◎入浴後のケアも大事
◎日頃の生活が大事

の三点に絞られると思います。

◎入浴時のケアが大事

必ず入浴剤と薬用ボディシャンプーを使います。
入浴剤はCytealというのがけっこう効きますが、ちょっと強め?
軽いときは週一回だけ使って、
他の日は別のものを処方されました。
ボディシャンプーはgel ADERMA moussant。
刺激が少ないのでしょう。
ほっぺに湿疹ができている場合も
これで洗ってよいと言われました。
頭には湿疹が出来ていないので、
洗髪は普通のシャンプーで大丈夫です。

◎入浴後のケアも大事

最初のうちは薬を3種類くらい使い分け。
まずお風呂上りに全身に保湿クリーム。
そのあと、湿疹の部分に薬をつけます。
最初は毎日、10日くらいたつと一日おき、
さらに10日くらいたつと二日おき…と
だんだんつける間隔をあけていきます。
同時に二種類の薬をつけることもあります。
最終的に薬なしで保湿クリームだけですむように
持っていくのが目的のようです。

ただ、皮膚科から処方される薬って
保険の利かないものが多いです。
要はほとんど自己負担。
(だから、逆に言えば処方箋なしでも
買えるものが多い、ということ)
しかもどれもけっこう高い。
入浴剤なんてマジ?と思うほど高い。
これで治れば安いものなのだが。
皮膚科の帰りの薬局では、
毎回80ユーロくらい払っています。

◎日頃の生活が大事

かゆみが結局湿疹を悪化させるので、
かゆみがなくなるまで飲み薬を飲みます。
日本では飲み薬ってけっこう症状が悪いときに
飲むものって印象があったので、
なにー、飲み薬?2ヶ月も飲むの?と思いましたが、
わりと普通のことらしい。
うちなんか、飲んだり飲まなかったり適当ですが…。

<湿疹の子が食べてはいけないもの>
キウイ、エキゾチックフルーツ(いわゆる南洋の果物のことか?)、
卵、トマト、グリュイエールチーズ

キウイは有名ですね。
エキゾチックフルーツにバナナは入るのか?
パイナップルは入るのか?
遠足のおやつに悩む子供並みに悩んでいますが、
今のところバナナは入らない、
パイナップルは入る、と勝手に自己判断しています。
卵は分かるけど、トマトってのは辛いです。
うちなんか、野菜といえばトマトしか食べないような状態なので、
トマトまで取り上げられると
何からビタミンを摂取したらいいのか。
だから、トマトは食べてます。
チーズも全部ダメじゃなくてグリュイエールだけダメってのがわからないけど、
これも食べてるなあ。
毎日食べてるわけじゃないし、いいかと。

離乳食期の乳児の場合、
離乳食スタートを遅らせ6ヶ月から開始になりました。
また、食べさせるものも最初は野菜のみ、
肉魚は避けました。
おっぱいを飲んでいる場合、
お母さんは肉を食べるのは週2回、
あとの日は魚にするようにと言われました。
これはきつい。
日本じゃないんだから、魚は簡単に手に入らないし、
しかも高い。
一番安そうな鮭ですら、二切れで10ユーロもする。
ついキロ3.8ユーロなんて値段につられてイワシを買う。
でもイワシはいつもあるわけではありません。

あとストレスを減らすのも大事かもしれません。
子供の場合、何がストレスか自分じゃなかなか言えないから難しいけど、
ゆりちゃんも幼稚園に入ってしばらくして始まった湿疹、
結局だいぶ幼稚園に慣れたか?と思われる半年後まで続いたし。
のんびりゆったり生活できるように
気を配ってあげるのも、治療になるかも。
(環境の変化、トイレトレなどのしつけ)

洗濯に使う洗剤も肌への刺激になるので、
先生に勧められたのはle chatというブランド。
その後、複数のフランス人ママたちから
「湿疹だったら洗剤はle chatよ!」と言われたので、
けっこう有名なのかも。
うちでは、溶け残りがないように
液体状の物を使い、
さらに柔軟剤はかゆみの原因になるというので、
柔軟剤も使っていません。(2003年7月18日)



アトピーに限らず、湿疹体質の子は
完璧につるつるの肌ははっきり言って望めないです。
だから、かゆみがなく毎晩ぐっすり寝られる、とか
状況がよくなったらとりあえずよし!と
思える懐の広さ(いいかげんさ?)も必要です。