鳩アレルギー
フィレンツェに行くことばかり頭にあったので、
ベネチアにはあんまり関心がなかった。
何でみんなベネチア、ベネチアって言うのかなあと思っていた。
ベネチアについて翌日、その考えは変わった。
リド島から見える海が抜群にいいのだ。
スモーキーブルーといった感じの海の色、
ハラハラと飛んでいるかもめたち、
そして遠くに見えるベネチア本島の景色、
どれをとっても絵になる。
水上バスで本島に到着。
日本人団体客多し。
いきなり橋があってベビーカーの我が家には苦難の始まり。
よく考えたらそこら中運河なのだから、
それを超えるには橋を渡るしかない。
でもその橋から見える運河の景色、
「よく見るベネチアの景色だ~!」
「嘆きの橋」
まずはサンマルコ広場に行ってみる。
右、上から見るとこんな感じ。
サンマルコ広場は建物に囲まれた大きな広場。
その前に派手、いや、きらびやかな教会。
サンマルコ寺院だ。
広場には観光客と同じくらいたくさんの鳩がいた。
この日は雨が降ったりやんだりの変な天気で、
雨が降ってきたので手近なカフェに逃げ込む。
するとダンナが「あの広場にいるとすごく鼻がむずむずする」と言う。
室内に入ったらそれが止んだと言うのだ。
「きっと鳩のフンだよ。
雨でもそうなんだから、晴れた日なんかすごく舞ってるんじゃないかな」
そういうアレルギーのない私にはちっともわからないが、
アレルギー持ちの方は気をつけたほうがいいかもしれない。
さて、気を取り直して鐘楼に登る。
エレベーターあり、ベビーカーのまま登れる。
大人は入場料がかかる(金額忘れた…5,5ユーロくらい))。
鐘楼に登るとベネチアが一望できる。
なぜかいるのが日本人ばかり(+日本語堪能なイタリア人ガイド)。
しかし、見える景色は確かに絶品。
次はサンマルコ寺院。
中に入るのに階段を数段上がらなければならないので、
ベビーカーを持ち上げるのはちょっと大変。
我が家は交代で見に行った。
待ってると、次から次へと日本人団体客。
そんなにみんなベネチアが好きか?と思ったが、
次の日は全然会わなかったので、
ちょうどツアーでベネチアに来る日が重なったのか?
(飛行機の都合もあるんだろう)
サンマルコ寺院の装飾はビザンチン様式。
天井は一面モザイク。そしてなぜか金ピカ。
地味な色合いの教会装飾を見慣れた目には新鮮だった。
で、ここですることがなくなる。
カーニバルの仮面かベネチアングラスでもおみやげにしようかと
思っていたので、お店をぶらぶらと見て歩く。
仮面をゲットしたら、本当にすることがない。
実際はもっともっとベネチアには見どころがあるのだけど、
ベビーカーがあるとどうしても行動範囲が狭くなる。
そうだ、「ベニスに死す」で主人公が倒れた広場を探しに行こう、と思いつく。
しかし名前がわからない。
大運河の南側、歩ける範囲内でいくつか広場を巡る。
途中クリスマスコンサートの練習をしている教会があったり、
ベネチアにも斜塔を発見したりして、
それはそれで面白かったが、結局見つからなかった。
イタリア人にはまっすぐな塔が建てられないのか?
こんなくだらないことをしていてもベネチアは魅力的だった。
もう一回行きたい。