おいしい店は目と鼻と直感で探せ

今回はトスカーナの旅なので、
少なからず食べ物には期待していた。
「きっとどこで食べてもおいしい」と幻想を抱いていた。
そう、それは幻想だったのだ。

ベネチアにて。
クリスマスだったこともあり、サンマルコ広場の店はみんな閉まっている。
いくつかのカフェのみ開いていた。
雨が降ってきたこともあり、
「とりあえず」入った店が大はずれ。
出てくるパスタどれもまずーい。
店頭に立つ店員がやたら日本語が流暢で、
それにだまされるのか、日本人もちらほら入ってくる。
しかも大して食べていないのにバカ高い。
サンマルコ広場だからか?
イタリアでは席にすわると必ず席料が取られる。
うちみたいに子供赤ちゃん連れの場合、
どこまで席料を取るかは店の裁量次第だが、
たいていらんちゃんまで5人分取られた。
一人当たりの席料は微々たるものでも、
5人集まればけっこうな額である。
席料分の割増感があった。
入っちゃいけない、サンマルコ広場の「EDEN」。

その分、ホテルのレストランで食べた食事には癒された。

左、ガチョウのタルタル。とろけるようにおいしい。ほとんどお子様に取られた。
中、スパゲティボンゴレ。
右、パネトーネ。クリスマスだったのでデザートはこれだった。
ちなみに次の日の朝食にも出てきた。
    

次の日、またしてもサンマルコ広場にて昼食時。
今度はEDEN隣のQuadriクアードリへ。
サンマルコ広場にはカフェ・フロリアンという老舗カフェがあるのだが、
ここクアードリも負けず劣らず老舗らしい。
カフェご飯だから、パスタかサンドイッチでも食べられればいいか、くらいの
軽い気持ちで入った。
食事したいと言ったら二階へ案内されたのだが、
そこはまったくの別空間。
かなりしっかりしたレストランだ。
こんなちびっ子連れでいいんだろうかと一瞬たじろぐ。
しかし幸いなことに昼食時をはずしていたので、
他にお客さんはなし。
貸し切り状態だった。
味も絶品。
それなりのお値段はするが、味と雰囲気を考えたら悪くない。

左、洋梨とパルミジャーノレッジャーノチーズとルッコラのサラダ。
中、七面鳥の栗とくるみ詰め、丸焼きからサーブしているところ。
こんな店です。私が最初おののいたのもご理解いただけるでしょう。
右、言わずと知れたティラミス。
    

同じ経験をフィレンツェでもした。
お昼に入ったレストラン、パスタの種類がたくさんあったけど、
こんなのイタリアで出したら犯罪じゃないの?ってくらいまずい。
私は一口食べてあとは食べられなかった。
ここも店員さん、日本語流暢。
もちろんメニューにも日本語あり。
きっとバブルの遺物なんだろうな。

だからといって、ガイドに載ってる店を探して行くのは
私はあんまり好きじゃない。
よっぽど目当ての店があって予約でもして行くのなら別だが、
ガイドをみながらその店を探しても見つからないことが多い。
しかも、みんな同じガイドを持ってるのか、日本人ばっかりだったりして。
店員も妙に日本人慣れしていて、
なれなれしく片言の日本語で話しかけてくる。

このまっずいパスタを食べた日はがっかりだった。
私はほとんど口をつけなかったのでだんだんおなかがすいてくる。
昼の二の舞はしたくなかったが、
光がおっぱいになってしまい、どこかに入らざるをえない。
最初入った店は6人と言うと二階にあがるように言われたのでやめる。
ベビーカーを持っていけないからだ。
向かいの店は場末感漂う店。
もう選択肢がないから入る。
入り口の狭さとはうって変わって中はけっこう広かった。
みんなは余りおなかがすいていなかったので、
ピザを一枚だけ頼んでみる。
ここもメニューに日本語。
こういう店に観光客が来るとは思えないが、
バブルの頃は来ていたのか?
(周りはイタリア人ばかり。
おばあちゃんが一人でふらりと入ってくるような店だ)
ところがここのピザ、これまたうまい~!!
薄ーくカリカリに焼き上げてある。
店頭のおっちゃんがちゃんと一枚ずつ手でのばして作ってるらしい。
(ダンナと馨が見に行った)
これこれ、こういうピザを食べたかったのよ。
あんまりおいしいのでもう一枚追加する。
ここも繁華街のど真ん中。
どうしてこういう店が紹介されないのだろう?

右のように、メニューの書き方がいかにも場末っぽい。
うちだって入るのをどうしようか悩んだんだもの。
観光客には入りにくいよ。
  

夜になると、
「あ~、またレストランを探さなきゃ~」と憂鬱になってくる。
大人だけならエノテカと言われるワインバーに行ってしまうが、
子連れでは意外と選択肢が狭まる。
夜はたいてい7時30分から店が開くが、
子供はそんな時間まで待てない。
そこで見つけたのが、ドゥオモのまん前にあったピザ屋。
この辺の店にしてはまだ時間が早いのにもうやっている。
ツーリスト向けか?
何でもいいから入る。
確かに回りの席で話される言葉は多国籍。
しかし出てくる料理がうまいんだ~、これが!
ピザしかり、パスタしかり。
肉料理も魚介類もみーんなおいしい!!!
ついでにワインも。
ハウスワインなんかフルボトルで10ユーロ。でもうまい。
頼んだ皿が全部来た時は
「これは頼みすぎた。食べきれないな~」と思うのだけど、
なぜか全部食べられてしまう。
全部食べても食べ過ぎた感じはなく、心地よい満腹感。
どうしてこんなおいしい店がガイドに紹介されてないのだろう???
料金も良心的。
我が家は二晩連続で通ってしまった。
本当は大晦日の特別メニューも来たかったくらいだったが、
開始時間が遅かったし(食べながら年越しするのかも)、
子連れだから断念。
早い時間なら予約なしでも座れるが、
ちょっと時間が遅くなるとあっというまに満席になる。
みんなおいしいものはちゃんと知ってるわけだ。



今回の食い道楽での教訓。
・妙に日本語で話しかけてくる店は要注意。たいていまずい。
・本当においしい店は下手するとイタリア語しか通じなかったりする。
・トスカーナだからといって、おいしい店ばかりとは限らない。
・ガイドに頼るな。おいしい店はオーラを放っている。