心残り

かなり余裕を持って日程を組んだつもりだったが、
クリスマスが重なったからか、何かと予定通りいかないことが多かった。
しかも下調べの甘い我が家、
あとからいろいろな事実が発覚したりして、
こと心残りの多い旅だった。

マルセイユ
…イフ城に行けなかった(『岩窟王』のモデルになった城。
マルセイユ港から船で行ける小さい島にあるはずなのだが、
冬季は渡れないのか、通り過ぎて別の島へ)。

ピサ
…斜塔に登れなかった(10歳以下は不可)。

ローマ
…ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂に入れなかった。


白亜の殿堂、別名ウェディングケーキ。
とにかく目立つ。

…カラカラ浴場に行けなかった。
…フォロ・ロマーノの遺跡が十分見られなかった。
…真実の口に噛んでもらえなかった(「三大名所」を参照のこと)
(なぜだか立ち入り禁止。遠くから見ることはできた。
ちなみに真実の口のある、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会は
6世紀のもの。内部のモザイクなどよく保存されていて美しい)。
…エステ荘の噴水に行けなかった。
…エウルのローマ文明博物館に行けなかった。

バチカン
…バチカン美術館をもっとゆっくり見たかった(「これがバチカンだ」を参照のこと)。


特にイタリアはとにかく見どころが多すぎて、
一回の旅行で全部見ようとするのが間違い。
事前に入念に研究して行き先を絞り込むか、
欲張らずに次回の旅行に回した方が賢明。

そうはいっても短い旅程に一つでも多くの見どころを盛り込みたいのが本音。
しかしそれにはローマの見どころたちは広すぎる上、
あまりにも見学時間が短すぎる。
屋外遺跡のコロッセオやフォロ・ロマーノは
夏場なら6時、7時までやっているので、
もう少し時間を有効に使えるかもしれないが、
冬場はどこも3時まで。
一日に見学できる遺跡は2つが限度なのだ。

バチカン美術館は夏でも4時まで。
冬はなんと1時までしか開いてない!!!
朝も夜明け前から開いているわけがないので、
わずか数時間の開館に膨大な観光客が押し寄せる。
当然ものすごく混んでいる。
しかも超わかりにくい作りになっており、
目立つサンピエトロ寺院の近くにない。
これは絶対サギだ。
サンピエトロ寺院の前でうろうろして、
「えっ?場所が違うの?」と気づいて慌てて移動しようにも、
そこから1キロあまり離れたところが入り口。
じゃあせめて今日はシスティーナ礼拝堂だけ見て、
バチカン美術館は明日にしようかな、などと思うと、
システィーナ礼拝堂もバチカン美術館からしか入れないと言う。
…それってなんか間違ってないか?
人類の大事な遺産ではあるけど、
信教活動の場所じゃないの。
それを切り離して美術館に組み込んでしまうのは、
なんだか商魂たくましい。
(礼拝堂ごと移築しているわけではないし、
もちろん本当はサンピエトロ寺院からも行けるようになっているのだが、
実際は行かせてくれない。
バチカンの広大な敷地がいけないんだけど…)